航空宇宙事業では、P-1固定翼哨戒機およびC-2輸送機など、防衛省向けの航空機の開発・製造を行っているほか、ボーイング787など民間航空機の国際開発・生産プロジェクトにも参画しています。また、ベストセラー機・BK117をはじめとしたヘリコプター、H-ⅡA、H3用ロケットフェアリングなどの宇宙機器も手がけています。
航空機生産に着手
川崎造船所の兵庫工場に自動車科・飛行機科を設置しました。
川崎造船所兵庫工場にあった飛行機工場
各務ヶ原に工場を新設
飛行機科が兵庫工場の所管を離れて本社直属の飛行機部となり各務原分工場が新設されました。(岐阜工場の始まり)
各務原分工場開所式
陸軍がサルムソン2A-2型飛行機を乙式1型偵察機として採用
兵庫工場でおよそ300機が生産されました。
乙式1型偵察機
飛行機組立工場が竣工
各務ヶ原分工場としてスタート
陸軍がドルニエ式全金属製重爆撃機が完成87式重爆撃機として採用
わが国初の全金属製大型機で1932年までに26機が生産されました。
87式重爆撃機
飛行機部を飛行機工場に改称
飛行機部が本社直属の工場として独立し飛行機工場に改称されました。
陸軍、キ10を95式戦闘機として制式機に採用
1937年から量産を始め1938年末までに1型2型あわせておよそ580機が生産されました。
95式戦闘機
各務原分工場を各務原工場に昇格
川崎航空機工業(株)の設立
神戸から各務原へ設備・人員(約1200人)を移転し、各務原工場の開所式を挙行しました。
川崎造船所飛行機工場を分離し、初代社長には鋳谷正輔が就任しました。
各務原工場開所式
各務原分工場を岐阜工場に改称
陸軍、キ48を99式双発軽爆撃機として制式機に採用
一式貨物輸送機が制式採用
1940年から量産をはじめ1977機が生産されました。
航空機の増産のため明石工場を開設
飛燕の誕生
キー61(三式戦闘機:飛燕)試作1号機試験飛行が開始されました。
三式戦闘機試作1号機
キ61を三式戦闘機として制式機に採用
大量生産開始
終戦までにおよそ3000機が生産されました。
三式戦闘機(飛燕)
終戦に伴い航空機の生産禁止
岐阜工場は度重なる空襲により壊滅的な被害を受けました。
終戦により民需産業への転換を余儀なくされました。
航空機事業としての再出発
講和条約の発効とともに航空機の生産禁止を解かれることになりました。これを機に技術者を集めて連絡機の設計などを開始しましたが7年のブランクは想像以上に大きいものでした。
KAL-1連絡機初飛行
2機を試作し、1号機を陸上自衛隊に納入しました。
KALー1型連絡機
川崎航空機工業株式会社の復活
川崎航空機工業、川崎機械工業および川崎岐阜製作所を吸収合併しました。
防衛庁とT-33Aジェット練習機の製造請負契約を締結
T-33Aジェット練習機の試験飛行を開始し、国産化へ向けて南工場に新建屋を建設しました。
T-33Aジェット練習機初号機公開
戦後わが国航空機工業界にとって初めての大型機の生産に着手
米ロッキード社とP2V-7対潜哨戒機製造に関する技術援助契約を締結しました。
P2V-7対潜哨戒機初号機納入
大型ヘリコプタをライセンス生産
アメリカのバートル社と技術提携して川崎バートルKV-107II型大型ヘリコプタが完成しました。
川崎バートルKV-107Ⅱ型大型ヘリコプタ
P2V改(のちにP-2J)初飛行
エンジン換装、胴体延長、外観、装備ともに新設計した改造機。戦後の航空機開発への足がかりとなりました。1979年まで82機が生産されました。
P2V改初飛行
川崎3社合併
川崎重工業・川崎航空機工業・川崎車輌が合併、新たに川崎重工業株式会社が発足しました。
企業規模の大型化や資本の集結、人材、技術力、設備の総合的な活用を図ろうとしました。
我国開発の最初のジェット輸送機となるC-1輸送機初飛行
1981年までに試作機を含めて31機が生産されました。
ドイツMBB社とBK117双発ヘリコプタの協同開発契約に調印
当初は独自開発を目指していましたが最終的には国際共同開発を選択しました。
BK117型ヘリコプタの組立
P-3C国産化の主契約者に決定
ロッキード社とのP-3C国産化に関する技術援助契約調印
単なるライセンス生産ではなく独自の仕様変更や搭載機器の更新・追加とそれに伴う機体の改修も可能な契約でした。
P-3C対潜哨戒機初号機納入式
BK117試作機初飛行
科学技術庁より実用STOL(短距離離着陸)機の主契約者に指定を受ける
BK117はわが国初の型式証明を取得した国産ヘリコプタとなりました。
岐阜工場でのBK117初飛行
B767旅客機分担部位製造開始
ボーイング社との国際共同開発プロジェクトとしてスタートし、現在も生産を継続しています。
XT-4中等練習機の開発と量産
防衛庁からMTX(中等練習機)の主契約者に指名されました。同機の開発は、防衛庁がジェットパイロットの訓練体系の効率化を目的として行うものでした。
XT-4中等練習機
P-3C対潜哨戒機国産初号機を納入
P-2Jの後継機として1997年までに改造機を含めて98機が生産されました。
対潜哨戒機「P-3C」国産初号機納入式
純国産中等練習機T-4初飛行
T-1,T-33の後継機として、2003年までに計212機が納入されました。のちにブルーインパルスの機体としても採用されました。
XT-4試作初号機初飛行
STOL実験機(飛鳥)の初飛行
C-1 型輸送機を母体にして改造したもので、わが国で初めての機体もエンジンも純国産の中型ジェット機でした。
STOL実験機
輸送用ヘリコプタCH-47Jライセンス生産
1986年に始まった生産は2017年には通算100機目の機体を納入し現在も生産を継続しています。
CH-47J大型輸送ヘリコプタ
新小型観測ヘリコプタXOH-1の開発
観測ヘリコプタ(XOH-1)の開発担当会社の指名を受けました。
ボーイング777胴体パネルを初出荷
名古屋第一工場にて初出荷式を挙行しました。777は2011年に1000号機用胴体パネルを出荷するベストセラー機となります。
初号機部位の出荷式
観測ヘリコプタ(XOH-1)初飛行
観測ヘリコプタ初の純国産機として2012年までに38機が生産されました。
XOH-1新小型観測ヘリコプタ試作第1号機初飛行
ハワード・ヒューズ賞を防衛庁と当社で共同受賞
OH-1で達成した技術的成果に対し米国ヘリコプタ協会から贈られた賞であり米国以外の国が受賞したのは初めてでした。
ハワード・ヒューズ賞受賞
エンブラエル170分担部位製造開始
民間航空機の主翼・同翼の開発・設計から量産・プロダクトサポートまでを一環して担当したことで従来機では習得出来なかった分野で貴重な経験・知見を蓄積することが出来ました。
エンブラエル170製造部位
防衛庁から次期固定翼哨戒機・次期輸送機技術開発の主担当企業に指名
防衛庁(当時)は海上自衛隊向け次期固定翼哨戒機「P-X」と航空自衛隊向け次期輸送機「C-X」の同時・共用化開発を、航空機エンジンメーカー各社に依頼しました。機体の主契約会社に当社が指名されました。
P-X,C-Xロールアウト式典
日本飛行機(株)を完全子会社化
完全子会社化により厚木工場が整備、横浜工場が防需・民需分担品の生産を担う機能分担となりました。
海上自衛隊向けMCH-101掃海・輸送ヘリコプターの初号機を納入
MCH-101
次期固定翼哨戒機(XP-1)の試作1号機の初飛行に成功
次期固定翼哨戒機(XP-1)
防衛省向け次期輸送機(XC-2)の試作1号機が初飛行に成功
防衛省向け次期輸送機(XC-2)
ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー(主要構造部門)を受賞
ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー
多用途双発ヘリコプター「BK117」累計1,000機納入を達成
BK117累計1,000機納入達成
海上自衛隊向けP-1固定翼哨戒機の量産初号機を納入
P-1固定翼哨戒機の量産初号機
次世代大型旅客機「777X」の開発・量産参画へ覚書
日本航空機開発協会と日本5社がボーイング社と調印
名古屋第一工場にボーイング777X向け新工場を建設
ボーイング777X向け新工場
航空自衛隊向けC-2輸送機の量産初号機を納入
C-2輸送機の量産初号機
米国KMMリンカーン工場で当社初となる航空機用部品の製造ラインが完成
航空機用部品の製造ライン
ボーイング777X向け初号機用胴体パネルの納入を開始
ボーイング777X向け初号機用胴体パネルの納入式典
航空機研究開発用の新低速風洞が竣工
航空機研究開発用の新低速風洞-1
航空機研究開発用の新低速風洞-2
最新型ヘリコプター「H145//BK117 D-3」がエアバス・ヘリコプターズ社より世界初納入
BK117ヘリコプターは、救急医療、消防・防災、警察、報道、人員輸送、物資輸送などで活躍する中型双発機です。
H145//BK117 D-3
岐阜工場100周年を迎える
1922年に各務原分工場を開設して2022年9月7日で設立100周年を迎えました。記念映像や「岐阜工場100年史」を発行しました。
H3ロケット試験機1号機用フェアリングを出荷
H3ロケット試験機1号機用衛星フェアリングを、岐阜工場での設計・部品製造を経て、播磨工場にて組み立て後、種子島宇宙センターに向けて出荷しました。
簡単な手続きで空の移動を手配するワンストップサービス 「Z-Leg™」の提供を開始
手続きが煩雑なヘリコプターの手配をオンラインで簡単にできるサービスです。日時・出発地・目的地を入力するだけで、ヘリコプターだけでなく、搭乗前後のタクシー/ハイヤーの予約なども含めてワンストップで空の移動を手配することができます。
デブリ捕獲システム超小型実証衛星「DRUMS」軌道上技術実証に成功
自社開発したデブリ捕獲システム超小型実証衛星「DRUMS」の軌道上運用において、仮想デブリを自律的に追尾・接近、捕獲機構を伸展する技術実証に成功しました。
デブリ捕獲実証衛星「DRUMS」