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船舶海洋

川崎築地造船所の創業以来、「日本初」と形容される数々の船舶を建造してきました。
現在、国内ではLPG運搬船や潜水艦などの高付加価値船を建造するとともに、中国では南通と大連で、ばら積み船・大型コンテナ船などを建造しています。また、脱炭素社会に向けて、液化水素運搬船の開発に取り組んでいます。

  • 1878/ 明治11年

    川崎築地造船所の創設

    創業者である川崎正蔵は東京築地南飯田町の官有地1400㎡を借り受け、川崎築地造船所を創業し、造船業への第一歩を踏み出しました。
    川崎築地造船所建造の第1号船は西洋型木造船の「北海丸」(80トン)です。1878年の進水式には1,000人を超える人々を招いて祝宴を開きました。

    1884年当時の築地周辺

  • 1881/ 明治14年

    川崎兵庫造船所の開設

    川崎正蔵は兵庫・東出町の官有地を借り受け川崎兵庫造船所を開設しました。
    (1886年に川崎造船所と改称)

  • 1896/ 明治29年

    (株)川崎造船所の誕生

    1896年に神戸市布引の川崎邸で川崎正蔵以下11名を発起人とする創立総会を開き、株式会社川崎造船所が誕生しました。当社は10月15日を創立記念日としています。
    初代社長に就任したのは当時の宰相 松方正義の三男松方幸次郎で当時31歳でした。川崎正蔵は顧問に就任しました。

    初代社長 松方幸次郎

  • 1897/ 明治30年

    貨客船「伊豫丸」(株式会社川崎造船所第一番船)進水

    株式会社に改組して初めて建造したのが伊豫汽船の貨客船「伊豫丸」です。
    同船はわが国における造船奨励法適用の第1船でした。

    貨客船「伊豫丸」

  • 1902/ 明治35年

    第一乾ドック完成

    松方幸次郎が社長就任後直後、大型船の建造のために乾ドック建造の工事に着手しました。工場地の海面約9.882㎡を埋め立てて6年の歳月を経て1902年11月に完成させました。(長さ130m、幅15.7m、深さ5.5m、最大収船能力6,000総トン)
    1998年、文化財保護法による登録文化財に、乾ドックとして国内で初めて登録されました。

    第一乾ドック

  • 1906/ 明治39年

    国産初の潜水艇竣工

    潜水艇の国産化を目指し、アメリカから技術導入を行い国産初の潜水艇2隻を完成させました。

  • 1908/ 明治41年

    民間造船所初の大型軍艦「淀」竣工

    民間造船所初の大型軍艦「淀」竣工

  • 1915/ 大正4年

    国産初の巡洋戦艦「榛名(はるな)」竣工

    「榛名」進水式風景(神戸工場現第4船台)

    完成間近の「榛名」

  • 1950/ 昭和25年

    戦後わが国初の輸出船
    大型タンカー「FERNMANOR」(18,384DWT)竣工

    大型タンカー「FERNMANOR」

  • 1955/ 昭和30年

    国内最大(当時)のタンカー「CHRYSANTHY L」竣工

    主機に戦後最大のタービンを装備し、初めてプロペラに5枚翼を採用しました。

    国内最大(当時)のタンカー「CHRYSANTHY L」

  • 1960/ 昭和35年

    戦後初の国産潜水艦初代「おやしお」竣工

    戦前のリベット構造に代えて全溶接構造を採用し水密性の機能を向上させました。

    戦後初の国産潜水艦初代「おやしお」

  • 1967/ 昭和42年

    坂出工場完成

    船舶の大型化に対応するため、合理的レイアウトを持つ大型造船所を新設しました。

    坂出工場完成

  • 1969/ 昭和44年

    わが国初の潜水調査船「しんかい」竣工

    潜水艦の建造技術を基礎として海洋開発分野(海洋調査・観測)に進出しました。
    潜航深度は600mです。

    わが国初の潜水調査船「しんかい」

  • 1969/ 昭和44年

    川崎3社合併

    川崎重工業・川崎航空機工業・川崎車輌が合併、新たに川崎重工業株式会社として発足しました。
    企業規模の大型化や資本の集結、人材、技術力、設備の総合的な活用を図ろうとしました。

  • 1970/ 昭和45年

    わが国初の自動車専用運搬船(PCC=Pure Car Carrier)「第十とよた丸」竣工

    9層のカーデッキを備え、2,000台以上の乗用車を積載することができます。

    わが国初の自動車専用運搬船「第十とよた丸」

  • 1971/ 昭和46年

    わが国初の小型水中作業船「はくよう」竣工

    水深300m以浅の大陸棚を自由に行動することができます。

    わが国初の小型水中作業船「はくよう」

  • 1971/ 昭和46年

    わが国初の涙滴型潜水艦「うずしお」竣工

    わが国初の涙滴型潜水艦「うずしお」

  • 1972/ 昭和47年

    国内最大、最高速(当時)カーフェリー
    「さんふらわあ」竣工

    国内最大、最高速(当時)カーフェリー「さんふらわあ」

  • 1981/ 昭和56年

    欧米以外で初めて建造されたLNG(液化天然ガス)運搬船「GOLAR SPIRIT」竣工

    クリーンエネルギーとして注目を集め始めた天然ガスを、マイナス163℃に保って運ぶLNG運搬船です。独自開発のタンク防熱システム「川崎パネルシステム」を採用しています。

    LNG運搬船「GOLAR SPIRIT」

  • 1985/ 昭和60年

    わが国初の深海救難艇竣工

    不慮の事故で、浮上不能になった潜水艦から乗組員を安全に救出する役割を担います。潜水艦救難母艦の初代「ちよだ」に搭載されました。

    潜水艦救難母艦 初代「ちよだ」

  • 1989/ 平成元年

    国産初のジェットフォイル「つばさ」竣工

    ジェットフォイル「つばさ」

  • 1994/ 平成6年

    テクノスーパーライナー実海域模型船「疾風(はやて)」竣工

    国家的プロジェクト超高速船テクノスーパーライナー(航海速力50ノット_約93km/時)の実海域模型船を建造し、海上試験運転を完遂させました。

    テクノスーパーライナー実海域模型船「疾風(はやて)」

  • 1995/ 平成7年

    中国に合弁会社「南通中遠川崎船舶工程有限公司(NACKS)」を設立

    中国の海運会社中国遠洋運輸(集団)総公司(COSCO)(現中国遠洋海運集団有限公司(China COSCO Shipping))と合弁。

    ※2018年、「南通中遠海運川崎船舶工程有限公司」に改称。

    中国に合弁会社「南通中遠川崎船舶工程有限公司(NACKS)」を設立

  • 1998/ 平成10年

    「おやしお」型潜水艦の1番艦「おやしお」(2代目)竣工

    「おやしお」型潜水艦の1番艦「おやしお」(2代目)

  • 2002/ 平成14年

    船舶部門分社化に伴い、株式会社川崎造船の設立。川崎重工から分社独立。

  • 2003/ 平成15年

    我国初の内航LNG運搬船(蓄圧型低温タンク方式採用)「第一新珠丸」竣工

    次世代のクリーンエネルギーとして天然ガスがクローズアップされ、当社はLNG運搬船建造で実績を積み重ねました。

    我国初の内航LNG運搬船(蓄圧型低温タンク方式採用)「第一新珠丸」

  • 2004/ 平成16年

    AUV(自律型無人潜水機)試作機「マリンバード」で水中ステーションでの充電に成功。

    AUV(自律型無人潜水機)試作機「マリンバード」

  • 2007/ 平成19年

    中国での第2の造船所「大連中遠工業有限公司(DACKS)」を設立。

    COSCOグループとNACKSの出資。

    ※2012年、当社出資参加により「大連中遠川崎船舶工程有限公司(DACKS)」に改称。

    ※2018年、「大連中遠海運川崎船舶工程有限公司」に改称。

    中国での第2の合弁造船所「大連中遠川崎船舶工程有限公司(DACKS)」

  • 2010/ 平成22年

    川崎重工業と川崎造船所が再統合

    船舶海洋カンパニーとして再出発しました。

  • 2016/ 平成28年

    世界初のLNG燃料による運航が可能な自動車運搬船「AUTO ECO」をNACKSで竣工。

    世界初のLNG燃料による運航が可能な自動車運搬船「AUTO ECO」

  • 2019/ 平成31年

    世界初、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が進水

    マイナス253℃に冷却し、体積が気体の800分の1となった液化水素を、安全かつ大量に長距離海上輸送するために開発されました。

    川崎重工: 液化水素運搬船
    「すいそ ふろんてぃあ」進水式

  • 2022/ 令和4年

    世界初の液化水素運搬船が豪州ビクトリア州に到着

    日本を出港した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が初めての国際航海を経て豪州に到着しました。カーボンニュートラルの実現に向けて、水素のエネルギー利用への期待が益々高まる中、液化水素を国際間で輸送する世界初の大規模な取り組みであり、商用規模の液化水素サプライチェーン構築の実現に更に近づくと期待されています。